走査型透過電子顕微鏡

これはSTEMと呼ばれるタイプの顕微鏡(microscope)です。
電子線を細く絞って、直径0.2~0.3nm程度の極小プローブを作り出します。
そのプローブを試料上で走査し、透過してきた電子線で透過像を作り出すことで、形状を知るのです。
また電子線が試料を透過する時、試料中の元素によって特有のエネルギーを失う性質があります。
この現象を利用するのがEELS分析で、分光器で失ったスペクトラムを調べ、試料の化学組成や電子状態などを知るのです。
2004年5月、産業技術総合研究所ナノカーボン研究センターと日立ハイテクノロジーズとは共同で、単原子識別可能な元素分析装置を開発したと発表しました。
新開発した高性能磁界レンズ(磁場により電子線を曲げて収束させるデバイス)によって走査型透過電子顕微鏡から直径0.2nm程度の比較的強い電子線を発生させ、その透過像や電子線エネルギー損失などを読み取るというものです。
これにより試料中に存在する元素の種類、存在位置、原子数まで、高い精度で分析することが可能になります。
カーボンナノチューブをはじめとするナノ材料では、1個の異種原子が混入するだけでデバイス特性が著しく変化する可能性があるので、こういった測定が必要になります。
またタンパク中のアミノ酸配列を正確に読み取るためにも、単原子検出技術は必要です。
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